首都を直下とする地震は数十年の間に約70%の確率で発生すると考えられています。
このブログ記事では、もし出勤中などに首都直下の巨大地震が起きた場合を想定してどういう行動をとったら良いかを解説します。
注意:
この記事では、M8.0以上の首都直下型地震が起きることを想定しどういう行動をしたらいいのか、どういった対策をしておけばよいのかを解説します。
大宮住みでオフィスは表参道駅付近にあるという設定で解説していきます。
地震がおきたとき
あなたは、オフィスで事務作業をしています。そのとき、いきなり大きな揺れと一緒にスマートフォンから大音量で緊急地震速報が鳴り響きました。「ぐらぐら」程度であれば作業している手を止めTwitterに書き込むかと思いますが、震度6弱を超えたあたりではおそらくそのような余裕もなく机の下に隠れ「これは夢か!?」と思うかもしれません。
これは、私が東日本大震災を経験したときに実際に思ったことです。揺れが続いているとき、なにか悪夢を見ているのではないかという考えになりました。
地震は、ずっと続く訳ではないので収まります。オフィス内はもので散らばるかと思います。
この状態で次にとる行動は、避難かと思います。しかし、これは建物の構造や周りの状態から判断したほうが良いと思います。
現在の建物では建築基準法によって耐震基準*1が存在します。耐震基準は1981年、1995年、2000年と改正されているので2000年以前に立てられたビルなどでは避難したほうがいいかもしれませんが、2000年以降に立てられたビルなどでは建物内のほうが安全という場合があるかもしれません。しかし、蛍光灯が落下している、荷物が散乱していて危険な場合は一度外に避難したほうがいい場合もあります。
次にとる行動は、情報収集です。首都直下型では津波の影響はないかもしれないですが0ではありません。緊急速報や防災アプリ、ニュースサイト、Twitterをみて情報収集をすることが大切です。私個人は、特務機関NERV防災アプリが一番情報収集に向いていると考えます。
さて、情報収集ができたらあなたは自宅に帰ろうとするかもしれません。しかし、首都で大地震が起きた際には帰ろうとすると逆に危険です。
1つ目に「群衆雪崩*2」というものがあります。人が密集している状態で将棋倒しのように倒れると起き上がることができず圧死していまします。これは、韓国 ソウルで2022年10月29日に発生した群集事故*3が挙げられます。
2つ目に、公共交通機関は全て麻痺している可能性があります。大きい地震では、電車は全て止まるのは確実であり車も大渋滞が発生すると考えられます。そのため、もし帰る場合は徒歩となるでしょう。
3つ目に、火災旋風*4の危険があります。地震により広範囲で家事が起きると炎の竜巻である火災旋風が発生します。実際に、東日本大震災や関東大震災で発生した事例があることから首都直下型地震でも発生することが考えられます。
しかし、こどもが学校にいるためどうしても帰らなければならないと考えるかもしれません。
ですが、私も東日本大震災で実際に体験しましたが学校にいたほうが比較的安全です。先生もついており、避難所になっている可能性もあります。どうしてもという場合は、事前にお子さんと話し合っておくといいかもしれません(私は当時親が迎えに来るのか不安でした。)
このようなことから、地震が発生した日はオフィス内や近場の避難所で一夜を過ごすほうが安全です。東京都内では東京都帰宅困難者対策条例*5で3日分備蓄が企業に義務付けられているため食の心配はあまりいりません。
観光などで東京に来ており地震にあってしまった場合は、近くの避難所に避難しましょう。
帰る
非常食は3日しかないのである程度で帰らなくてはいけません。しかし、おそらく電車は数日は運行見合わせになっていると考えます。そのため、徒歩で帰らなくてはなりません。
もしサンダルやハイヒールなどの歩きづらい靴を履いている場合、数10kmを歩くのは無謀なので別の靴に履き替えたほうがいいかもしれません。これは、事前にオフィス内に置いておくことをおすすめします。
表参道-さいたま市間は30km以上あるので1日中歩けばつくと思いますが避難生活で体力は消耗しているため1日で帰るのは厳しいと思います。そのため、歩くコースも途中に休憩できる場所を探したり、途中の避難所で一夜を過ごす覚悟が必要です。
また、真夏では熱中症になる恐れもあるため塩分、水分を携帯したほうがいいでしょう。
家に帰ったあと
家に帰っても一件落着ではありません。余震もありますし、まず部屋が散らかっていると思います。また、電気ガス水道は全て止まっている可能性があります。
実際、東日本大震災のときのひたちなか市も電気は3日ほど、水道は2週間ほど止まりっぱなしでした。
そのため、常に自宅には非常食と水、簡易トイレなどを用意しておくといいかもしれません。
学校は数週間は臨時休業になる可能性があります。また、お昼では学校が始まっても数ヶ月は給食ではなくお弁当になる可能性もあります。
いつ地震が起きてもいいようにする
地震はいつ起きるかわかりません。そのため、今から非常食などを備蓄しておくことをおすすめします。
- 非常食 一人あたり2週間
- 水 一人あたり2週間分
- 非常用トイレ
- 懐中電灯
- モバイルバッテリー
- 携帯ラジオ
- ウェットタオル
- 水のいらないシャンプー
- 現金
などを用意しておくといいかもしれません。また、水などは余裕があれば多めに備蓄して置いたほうがいいかもしれません。東日本大震災のときは、私の家では水を多く備蓄おりお隣さんにあげることができました。
ストレスを溜め込まないようにする
巨大な災害では、多大なストレスでPTSD(心的外傷後ストレス障害)になる可能性*6があります。
そういった場合、以下のことを実行してみるといいかもしれません。
- 外部からの情報を止める
- 楽しいことを考える
- カードゲームなどで遊ぶ
- 人と話す
特に、大地震では多くの情報を収集または自然に入ってきます。それが原因でストレスが溜まっていくことがあるのである程度フィルターをし、自身の体の安全をとることも大切です。
もっと知っておく
余談: 緊急地震速報の発報条件
緊急地震速報の発報条件を知っておくと、どの程度の地震が発生したかを瞬時に把握することができます。
緊急地震速報には「予報」と「警報」の2種類があります。普段、スマートフォンで「ゔーゔーゔー」と鳴ったりNHKで「てれれれんー」となるのは「警報」の方で「予報」は一般に防災アプリなどを入れていなければ受信することができません。
ここでは、「警報」の発報条件を示します。
気象庁では以下のように説明されています。
1.緊急地震速報(警報)を発表する条件
地震波が2点以上の地震観測点で観測され、最大震度が5弱以上と予想された場合に発表する。2.緊急地震速報(警報)の内容
- 地震の発生時刻、発生場所(震源)の推定値、地震発生場所の震央地名
- 強い揺れ(震度5弱以上)が予想される地域及び震度4が予想される地域名(全国を約200地域に分割)(※1) ※地域名については、緊急地震速報の予報区をご覧ください。
気象庁|緊急地震速報|緊急地震速報(警報)及び(予報)について より引用
何を言っているのか難しいと思うので、説明すると、
まず、日本には以下画像のように地震の震度を観測する「震度観測点」というものが存在します。
気象庁 | 震度観測点 より引用
その震度観測点の中で「緊急地震速報」を観測できる場所のうち2つ以上が地震を観測します。これは、1つだけでは機器の故障などの可能性もあるためです。
さらに、そこから計算される予測震度が震度5弱を超える値*7になった場合、震度4となる可能性の場所に緊急地震速報を発報します。
例えば、茨城県沖で地震が発生して茨城県の観測場所で2箇所以上その地震を観測し、計算で予測した震度が5弱以上の場合、もし、お隣の栃木県で予測する震度が4以上だったらそこにも緊急地震速報が発報されます。
そのため、緊急地震速報が鳴ったら「自分がいる地域では震度4以上が予測される」「発生した地震は震度5弱以上がどこかで予測される」ことがわかります*8。
さいごに
地震は本当にいつ来てもおかしくありません。そのため、常日頃から今日起きてもいいような行動と準備をする必要があります。
暇だったら防災系YouTuberの動画もおすすめです(案件ではありません):
*1:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html
*2:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%A4%E9%9B%86%E4%BA%8B%E6%95%85
*3:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A2%A8%E6%B3%B0%E9%99%A2%E7%BE%A4%E8%A1%86%E4%BA%8B%E6%95%85
*4:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E7%81%BD%E6%97%8B%E9%A2%A8
*5:https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/kitaku_portal/1000050/1000536.html